令和7年4月27日
「的でなく、よく自分を観て」
私が弓を始めたきっかけの一つは、家族が持っていた漫画でした。その中で主人公は弓道の高段者からこんなことばをもらいます。
平常心を養うという意味、今の自分を知り受け入れるという意味、いろいろ考えられるのでしょうが、その時の私は「自分を客観視することが大切なのだ」という意味に受け取りました。
それは、私が職業上のスキルを磨くうえで、「VTR的な視点」を持つことの重要性を改めて実感し、実践しようと心がけていたことと繋がっているのだろうと思います。まぁ、結局都合よく自分に重ね合わせて受け止めたということなのでしょう。そこから弓を始めることになるわけですから、ラッキーであったことも確かです。
自分の主観は客観的な事実とズレていないか?
習慣づけられたカメラ視点の自分は、今となってはいつも自分の斜め上方にいて、「その姿や発言は相手の目にどう映るのか」と問い続けます。もうちょっと気楽に弓と向き合った方が楽しいんじゃないかと自分でも思うのですが、所詮その状態が自分の普段どおりなわけで、一番自然な姿なんだろうなと思うようになってきました。
自分にとって自分は、一番の理解者であり一番の批評者、年齢的にはもうすぐ耳順とはいえ、不惑すらあやしい今の自分ではありますが、せめて而立であろうと努めていきたいと思います。
今年度もよろしくお願い申し上げます。
浦安市弓道連盟
会長 本間慎治
参考文献
成田美名子:NATURAL,白泉社,1998.
佐竹恒夫:言語発達遅滞訓練マニュアル,エスコアール,1994.
金谷治訳注:論語,岩波書店,1999.
浦安市弓道連盟会長
本間 慎治